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無機塗装の安い物は、性能が低い!

無機塗料は、価格で性能が雲泥の差があり(無機塗装)

無機塗装(無機塗料)は、「フッ素樹脂塗装より耐久性が高い」との売り込みで最近出回っており、広告で大々的に売っている会社もあります。しかし、それらの価格は本物の無機塗料を使用したら絶対に実現できない金額であることが多いので、詳しく調べてみるとトンデモナイことが分かりました。

無機塗料とは!?

無機塗料は、その名の通り無機成分で作られた塗料です。(普通の塗料はみな石油を主とした有機成分でつくられています。)実は昔から無機成分を使った塗料はありましたが、どれも骨材(無機)などを質感のために混ぜたもので、主となる中身は有機に変わりはありませんでした。 最近の無機塗料は、いわゆる普通のペンキの状態で、その中身が無機で作られているというものなのですが・・・塗料に使われる無機とは簡単に言うと「粉」ですのでそのままでは密着性を持つことがほぼ無理です。そのため密着性を持たせるため樹脂(有機)と混ぜて塗料にします。なので、100%の無機塗料は現座の化学では存在しません。

無機塗料の価格は?

性能が高く、耐久性の高い無機塗料は非常に高価です。一般住宅向けならば安い物でも設計単価で㎡あたり4,000円以上(下塗り含む)、高層ビルに向けた商品なら㎡あたり5,000円を超えます。また屋根用となると㎡あたり6,000~8,000円(色による)とさらに高くなります。屋根塗装だけ極端に高くなる理由は、無機塗料は粉(無機)に樹脂(有機)を混ぜた物なので屋根に使うには樹脂分を多くしなければならず、一般的な無機塗料ならば屋根に塗れないので、非常に高価な純シリコンなどを用いたハイブリッドとしないと屋根に塗ったとしても耐久性を保てないからです。 逆に安い無機塗料は、無機を名乗っているもの無機塗料と呼ぶには性能が低く、ハッキリ言えば無機成分の粉が混ざっているシリコン樹脂塗料であったり、フッ素樹脂塗料であったりしますので、施工価格も3,000円/㎡を切るリフォーム会社などがあります。

ノンメーカー品には特に要注意

上場している塗料メーカーや、どこの塗料問屋でも扱っているような塗料メーカー以外の塗料を「ノンメーカー品」といいます。また、塗料を自社では作らずノンメーカー品などをOEMで供給を受けて販売だけをする「販売メーカー」というもの存在します。このようなメーカーは扱っている塗料の種類が少なくホームページやカタログイメージが豪華なことが特徴です。 その様なメーカーは塗料の性能を過大に記載をしたり、異常に長い期間メーカー保証をするとしてます。当然なのですが、性能は供給元の塗料を上回ることはありませんし、保証期間が長くとも実際には保証を逃れられるような条件が付けられており、いわば空手形です。(実際に保証書をみました。)当然期待する保証は得られないですし、その様な塗料を勧める塗装店やリフォーム会社にもご注意ください。ミタカペイント

価値はあるのか?

住宅の場合は、高い耐久性保誇る無機塗料で、住宅向けの製品であれば「安心の期間」を長く保てる価値を出せる可能性はあります。ただし、それには全体を同じバランスで耐久させる塗装仕様の設計と塗料の性能を十分に引き出す技術だけでなく、建物に使われている各建材の耐久性なども理解した上で包括的に考える知識と経験が必要です。
異常に安い屋根の無機塗装
ある方から「30万円で屋根を無機塗装でやるという会社があるのだけど、お宅で出来ないか?」と聞かれました。外壁塗装も検討していた方なのですが、やはり無理があるので下記のような計算を示して無理であることを説明しました。 ・屋根用の無機塗料と対応した下塗りで材料費が約25万円 ・洗浄、下塗り(プライマー)、上塗り2回、それに縁切り部材の取り付けで最低4日 ・かかる人件費も5万円は軽くオーバーする にも拘らず、最終的に30万円で屋根の無機塗装を行うといった会社が、外壁と屋根と樋の交換で更に5万円値引くというので、弊社はハッキリとお断りしました。(見積前に、相見積はしないとお断りしたのに、弊社が見積提出した後にルール違反をされた方なので信用もできませんでしたが。。) で、結果どうなったかというと1年を断たずして屋根の端の塗料が薄くなってきています。 想像でしかないですが、見積書には無機塗料と記載があっても実態はシリコン樹脂塗料などが使われたのではないかと思います。安いには必ず裏があるものなのです。
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