ウレタン樹脂塗料とは

ウレタン樹脂塗料とは

ウレタン樹脂塗料とは

ウレタン樹脂塗料とはどんなもの?

1990年頃までは外壁に使われるのは「アクリル樹脂」塗料でしたが、その後に弱溶剤系のウレタン樹脂塗料(2液型)が現れ使われ始め、その1液形塗料の販売が開始したことで一気に広まりました。現在の塗装スタイルはウレタンから始まりました。
特徴としては、①耐候性が良い(アクリルと比較) ②光沢が良い ③耐摩耗性が良い ④肉モチが良い ⑤作業性が良い(乾燥が早い)などです。それまでのアクリル樹脂系の塗料に比べ、少し値段は高くなりましたが、作業性が良く、色トビがしづらく、耐候性も高いので非常に重宝されました。なお、弊社で20年以上前にウレタン樹脂塗料で塗装した建物でまだキレイな状態のものがいくつも存在しています。
ちなみに、自動車板金にもウレタン樹脂塗料は使われておりますが、建築で使われる物とは違った物ですので、同じウレタン樹脂塗料でも性能は異なります。余談ですが、建築物には自動車板金用の塗料は向きませんので、基本的に使えないと思ってください。

ウレタン樹脂塗料とポリウレタン樹脂塗料は厳密には違う物!!

「ウレタン樹脂塗料とポリウレタン樹脂塗料は同じ物」という記載をよく目にしますが、それは「主要成分にウレタン系樹脂を使用している塗料」といういみでの「おなじ」であって、実際はその2つは違う物です。おもに主剤としてアクリルポリオールを使っているものが「アクリルウレタン樹脂塗料(AU)」(=ウレタン樹脂塗料)でほとんどの外壁用ウレタン樹脂塗料はこちらです。なお、取材にポリオールを使っているものを「ポリウレタン樹脂塗料(PU)」とよび、一部の塗料はポリウレタン樹脂塗料です。製品ごとの違いは、成分表を見れば一目で分かります。
性能としての違いは、ウレタンゴムとも呼ばれているポリウレタン樹脂の方が柔らかく弾性に富んでいるので、金属や木材などの塗装にはより適しています。

水性?油性?どっちら良いのか

発売当初のウレタン樹脂塗料は2液形で強溶剤(ウレタンシンナー)を使って希釈するタイプのみでしたが、今では弱溶剤(塗料用シンナー)系や水性の物もあり、選択の幅が広がっています。では、使用するのはどれが良いのでしょうか?性能順でお知らせいたします。なお、価格についてはどれも同じくらいです。

12液形ウレタン樹脂塗料(弱溶剤)

最近は、あまり使われることがあり売ませんが、ウレタン樹脂塗料の中では最も信頼できる性能があります。既に価格もこなれているのですが、2液形ですので使用方法を誤ると期待する性能が出ません。

21液形ウレタン樹脂塗料(弱溶剤)

ポピュラーな溶剤を使うウレタン樹脂塗料です。価格がこなれているので、樋や破風板などの付帯物の仕上げにも使われることが多いです。若干灯油のような臭いが出ますが、過敏な人でない限り気になるレベルではありません。最近では臭いを押さえてよい香りがする商品もあります。

3水性ウレタン樹脂塗料

水で希釈できるウレタン樹脂塗料です。溶剤を使わないため臭いも少なく(臭いが出ない訳ではありません)安全性も高いですが、その分性能は溶剤を使うものに比べ落ちる傾向にあります。臭いの少なさから内装で使われることも多いです。密集した住宅街などで臭いが気になる場合はこちらを使用するとよいでしょう。

0その他

その他に強溶材(シンナー臭のする溶剤)を使うタイプもありますが、今は殆ど使われません。ただし、性能は他のウレタン樹脂塗料と比べると抜群に高いです。価格も高いため、主にビルなどに使われます。以前は2液形水性ウレタンもありましたが、今は見られません。

メリット

製品として安定している

現在使われているウレタン樹脂塗料は、長く販売されているので製品としての安定性が高く、正しく使えば期待できる性能が出やすく、塗料がエラーを起こすことも少ない塗料です。

価格が高くない(安い?)

住宅のメンテナンスサイクルに合致した塗装商品としては最も安い商品です。確実に一定のサイクルで塗り替えをするような場合は、ウレタンが最もコストパフォーマンスが良いです。

デメリット

汚れやすい

ウレタン樹脂は柔らかさがあるので、汚れやすいのです。シリコンやフッ素などは硬さがあるため汚れづらい塗膜を作りやすい樹脂なのに比べて、柔らかさがあるウレタン樹脂はどうしても汚れを引き寄せやすいのです。

お得感が少ない

価格は安いのですが、それに少しプラスするだけで性能や耐久年数が高いシリコン樹脂塗料(ベーシックグレード)が使えるので、価格の安さを実感しづらいです。

まとめ

ウレタン樹脂塗料についてまとめると以下のようになります。

  • 現在の塗装スタイルはうれたんからはじまった。
  • ウレタン樹脂塗料とポリウレタン樹脂塗料は厳密には違う物。
  • 自動車板金用のウレタン樹脂塗料は外壁塗装には使えない。
  • ウレタン樹脂塗料の性能は 2液形>1液形>水性 で水性の2液形はない。
  • ウレタン塗装のメリットは安定していることと価格が安いこと。
  • ウレタン塗装のデメリットは汚れやすいこととお得感が少ないこと。

ウレタン樹脂塗料は、誰が使ってもそこそこの性能がでるものでありますが、性能を十分に引き出すためには施工が重要です。付帯物にフッ素を使用するといってウレタンを使用しているような業者もいるくらい、見た目では分かりづらいものですので、信頼できる業者に施工を依頼してください。