打放しコンクリートの塗装

打放しコンクリートの塗装

打放し(打ち放し)コンクリートの塗装

高級建築であるRCで造られたコンクリート打ち放し建物は、商業ビルやマンション、一般住宅でも見かけます。
しかし、高級であるのに「雨漏りはつきもの」と言われていたり、塗り替えでタダの四角いグレーの建物にしてしまうオーナーさんもいて、築年数が進むと非常に残念な状態になっている建物が非常に多いです。なぜ、無残な姿のまま放置されているのでしょうか?

弊社はコンクリート打ち放し建物を正しく直せる数少ない会社の一つです!

コンクリート造の建物を直すには木造住宅とは違ったビル改修の技術が必要です。
意外かもしれませんが、建てるのは基本を守り設計図通りに行えばよく、特別な技術入りませんし、いくらでも教科書があります。
しかし直す方法は、まず学校などでは教えてくれません。状態に応じて直し方を変えないといけないのでこれといった法則もないです。教科書と呼べるような資料もなく、技術も日進月歩するため間違っていたり古かったりする知識がネット上を中心に溢れているので何が正しいか経験と相応の知識がないと判断付かないです。。。。
ゆえに建築会社は、(コンクリート造の建物を)直すという事が苦手なのです。

弊社は、国がスクラップアンドビルドから建築ストックの活用に舵を切り始めた1990年代初めから積極的にRC建物の補修に関して技術を取り込み、診断の専門資格であるビルディングドクターも草創期に取得したため、多くの公共建築物をはじめとしたコンクリート造の建物を直す工事経験を積み数多くの技術を会得いたしました。その技術力が認められ、公共工事を担当する役所の技術者からは「岡部が入る工事はアタリ」といわれるほどにまでなり、補修方法や診断方法について助言を求められることも多くございました。

コンクリート打ち放し建物は普通の塗料で塗り替えられません!

コンクリート打ち放しの建物は、コンクリートの地肌が高級感を出しているので、新築時に色を塗ることはありません。通常は、何かしらの撥水剤か専用にクリアー塗料を塗って仕上げます。
撥水剤には種類がありまして、シリコン系でただ一時的に水を弾くだけの物からシラン系(広い意味ではこれもシリコンですが、一般的に言うシリコンとは異なります)フッ素などの浸透しながらも表面に(透明な)幕をつくるような物まであります。
これらの商品はどれも”透明”であるので、ただ塗ればよく、もしかすると色の入った塗料を塗るより簡単かもしれません。

しかし、改修(塗り替え)となるとい事情が変わります。
年月が経ちコンクリート打ち放しの外壁も汚れて劣化しているわけですから、その上に透明な物をそのまま上に塗れば汚れたまま、劣化したままの状態をクリアー塗装で保護することになってしまいます。なので、コンクリート打ち放し面再生工法の技術がない塗装屋は、グレーなどの一色で塗り潰してしまいます。
下記の写真は、実際にグレーで塗り替えられてしまった建物です。酷い話ですが、施工した会社は、塗り潰すしかないと説明したそうです。
塗り潰された打ち放しコンクリート壁

コンクリート打ち放し壁再生工法は、どの程度再生できるのか?

直し方については、後に詳しく書きたいと思いますが、その前にどの程度再生できるのかご紹介します。
次の写真は同じ場所を撮影したものです。再生後は、まるで新築の様な状態になります。

再生前の打ち放しコンクリート   ~打放しコンクリートの塗装~
再生前
再生した打ち放しコンクリート ~打放しコンクリートの塗装~
再生後

これは再生工法で行ったものですが、似たようなもので透けている塗料で誤魔化すだけの再生風工法(カラークリヤー工法)があります。当然、価格も仕上がり感も違いますので注意が必要です。少し安いと思ったら期待していたのとはちょっと違ったという事が実際に起きています。

コンクリート打ち放し再生工法は、なぜ高価なのか?!

 下の図は、打ち放しコンクリート再生工法とカラークリヤー塗装の工事内容の違いです。カラークリヤー工法は補修した上に半透明の塗装をすることで補修痕を目立たなくするだけですが、再生工法はコンクリート表面も含めて再生して、新築の時と同じような状態に戻すプロセスで行います。このため、カラークリヤー工法が比較的安価であるのに対して、打ち放しコンクリート再生工法は相応の金額が掛かります。

打ち放しコンクリートの工法違い

コンクリート打ち放し壁の再生工法は、どうやって行われるのか

上の図の通りで、正しい工法で行うならば補修を先に行います。この場合の補修はDIYで行われるようなコーキング(シーリング)やモルタルで行うものとは異なり、専門性が非常に高いものです。

1コンクリート補修(劣化表面)

打ち放しコンクリートの表面は、新築時には塗装は行わないため表面が劣化していることが多く滑らかであったコンクリート面が部分的ではありますがザラザラになります。そのようなザラザラした面をそのまま仕上げても新築時のような仕上げにはなりません。なので、表面を樹脂モルタルなどで均一に平滑化します。

2コンクリートへのベース塗装

コンクリート面が平滑になったら今度は素地全体を補強し、打ち放しコンクリートに見えるようにするための下塗りを行います。これで補修痕が分からなくなります。

3コンクリート打ち放し模様の再生塗装

打ち放しコンクリートの表情をつくります。アーティスティックな工程で塗装・左官・油絵などの様々な技術を使って新築時の打ち放しコンクリート面を再現します。

4保護仕上げ

仕上げは、全体を保護し長期にわたり期間を保つために行います。

このようにカラークリヤー塗装の倍以上の手間をかけて行うため非常に美しく耐久性がある仕上げとすることが出来ます。もちろん、これだけでなく壁を流れる雨をコントロールすることも重要です。弊社では、それらを含めて全体を再生工法としています。