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サイディング貼り住宅のメンテナンス(窯業系サイディング編)

サイディング(窯業系)の外壁メンテナンス

日本の一戸建て住宅は、殆ど木造です。在来工法、2×4工法、木造ラーメン工法などと工法の違いはありますが、躯体が木で作られているのが木造住宅です。

特徴としては、鉄骨やコンクリートに比べ軽量なので、建築にかかる手間や機械も少なく、造作の変更が比較的自由です。また、断熱性や吸湿性が高く、熱伝導率は低いので外気の影響は受けづらく湿気を若干ですが調整をしてくれます。デメリットは、燃えやすく耐震性が低いことです。また、施工した職人によって品質に違いが出やすく、耐用年数が短いことも挙げられます。もっとも建築後数百年も経っている木造建築もありますので、自動的に短期間で劣化するというわけではなく、設計や造り、手入れの仕方次第では長く住むことは出来ます。

なので、お手入れ(メンテナンス)の品質とタイミングが重要です。
いくら頻繁にメンテナンスを入れても、質が低く適当なお手入れでは知らぬ間に大きな損傷となってしまうことが多いですし、メンテナンスを全くしなければ見た目はそれほど悪くなってなくとも、ある時を境に急激に劣化し、崩れることもあります。

窯業系サイディングのメンテナンスポイント

鉄骨造でも窯業系サイディング(以下「サイディング」と言います。)貼りの外壁である住宅も存在しますが、今回は木造住宅のケースをご紹介します。
サイディング自体は30年以上の歴史がありますが、現在多く見られるような高意匠(レンガ調とか)のサイディングが多く使われるようになったのはこの20年ほどです。10年ほど前から高耐久コーティングが施されたサイディングが多く使われるようになりましたので、現在メンテナンスをお考えの方のお宅も何かしらのコーティングが施されている可能性があります。
ほとんど(全てと言っても良いかも)のサイディング貼り外壁は、サイディングそのものよりも先に目地シール(コーキングのこと)に劣化症状が出ます。代表的なのは破断(サイディングと縁が切れ、口が開いてしまうこと)です。施工や使用されたシーリング材があまり良いものでないと、シール自体がボロボロになり剥がれ落ちてしまうこともあります。
シールのメンテナンスは、古くなったものを原則撤去して、新たなものに打ち替えます。通常サイディング板間のシールはしかし、設計に問題があると、サッシ廻りは耳と呼ばれる奥にシーリングされていることがあり(結構あります)、シールが撤去できないので、致し方なくその部分だけ増し打ちとします。説明もなしに「増し打ち=手抜き」と説明する業者もいますが、そんな彼らとて、その部分は撤去できません。致し方ない場合に限りますが、増し打ちをする場合は、”厚み”と”幅”を持たせ、防水として十分機能するように打てば問題ありません。

使用するシーリング材

新築時には、殆どの建物で各メーカーの純正品か、変性シリコンシーリングが使用されます。最近は特殊コーティングが施されたサイディング材の場合は近い耐久性を持った純正品のシーリング材(高価なものが多い)を使用されることも多くなりましたが、以前は一般的な変性シリコンシーリング材が使われていました。現在メンテナンス時期を迎えている建物の多くは一般的な変性シリコンシーリング材が使用されていると思われます。

防水業者が使用しないシーリング材にご注意

塗り替え業者を中心に、高耐久を謳ったシーリング材が多く使用されております。メーカーホームページも高耐久をアピールしていますが、過去にカタログと実際の性能が異なるなどの理由で、”専業の職人たちは絶対に使用をしない”商品です。当然ですが、日本窯業外装材協会の推奨品ではありませんし、いろいろな角度から見て、メーカーの謳う性能に疑いが持たれています。他の高耐久シーリング材に比べ、値段が安いので、塗り替え業者などは使用するのかもしれませんが、化学製品は値段と性能は比例しますので、鵜呑みにしない方がよいでしょう。弊社では、定評のある上場メーカーの物を中心にサイディング材協会の推奨品なども含めて使用しています。

シール部分以外

その他には、サイディング自体に亀裂(クラック)がないか、反りやうねりがないかと確認することが必要です。症状によっては、貼り替えが必要な場合もありますが、弊社では貼り替えも含めて対応可能です。
なお、表面の退色や白亜化(チョーキング)も劣化症状の一つですが、これは塗装によって回復することが出来ます。

 

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