シリコン樹脂塗料とは|特徴・フッ素との違いと選び方

シリコン樹脂塗料は、外壁や付帯部などの塗り替えで検討される塗料の系統です。ただし、「シリコン」と書かれていれば、どの製品も同じ性能というわけではありません。このページでは、樹脂の意味、水性・溶剤形や1液・2液の違い、フッ素との比較、見積書で確認したい点を詳しく説明します。

シリコン樹脂塗料とは

建築用でシリコン系と呼ばれる塗料の代表に、アクリルシリコン樹脂を用いた製品があります。シロキサン結合を生かした樹脂設計により、屋外の紫外線などに対する耐候性を持たせています。身近な呼び名の「シリコン」は、塗料全体の配合や性能を一つに決める表示ではありません。

塗料には樹脂のほか、顔料、添加剤、水や溶剤などが用いられます。樹脂の種類に加え、それらをどう組み合わせた製品かが大切です。目地や隙間に使うシリコーンシーリング材とも、用途・製品・施工方法が異なります。

長所と、名前だけでは分からない点

耐候性を考慮した外装用製品があり、つやや低汚染性、素材への適合などを用途に合わせて選べます。一方、汚れにくさ、ひび割れへの追従性、防藻・防かび性、透湿性などが、すべてのシリコン塗料に同じ程度備わっているとは限りません。

「シリコン配合」「セラミック配合」などの言葉だけで高品質と判断せず、具体的な製品の仕様と適用条件を確認してください。塗膜の耐候性が高くても、ひび割れや浮き、雨漏りの原因を直せるわけではありません。

水性・溶剤形、1液・2液は別の分類です

水性・弱溶剤形などは、樹脂の名称とは違う分類です。1液形・2液形という分類も別にあり、「水性だから1液」「2液だから溶剤形」とは限りません。製品名と仕様書で確認します。

  • 水性・溶剤形:臭気や作業環境、既存塗膜への影響、乾燥条件などを考えて選びます。「水性だから必ず性能が低い」「溶剤形だから必ず長持ちする」と一括りにはしません。
  • 1液形・2液形:2液形は主剤と硬化剤等の混合比や使用可能時間の管理が必要です。液数だけで優劣を決めず、指定どおり施工できるかも確認します。

ラジカル制御型や無機系とはどう違うのか

シリコンは樹脂の系統を説明する言葉です。ラジカル制御は塗膜の劣化を抑える技術の分類で、シリコン系の製品と組み合わされることがあります。したがって「ラジカルとシリコンのどちらが上か」という二者択一では比較できません。

無機系・無機有機ハイブリッドも、製品の組成や設計を確認して理解する必要があります。シリコンという名前と無機という名前だけで、各製品の耐久性に一律の順位をつけることはできません。塗料の分類の違いもご覧ください。

フッ素樹脂塗料と比較するとき

高耐候性を重視してフッ素系を候補にする場合も、具体的な製品同士で比較します。工事費の差に見合う効果を考えるには、塗装以外の補修範囲と次回の改修計画まで含める必要があります。

シリコン・フッ素を比較するときの確認点
比較すること 確認のしかた
耐候性 樹脂名だけで順位を決めず、具体的な製品と仕様、試験条件を確認する。
汚れ・色・つや 低汚染性、色の選択範囲、つやの設定を製品別に比べる。
下地と動き 既存塗膜、下塗り、必要な柔軟性や透湿性などとの適合を確認する。
工事費 材料代だけでなく、足場・補修・目地・防水・付帯部を含む同じ工事範囲で比べる。
将来の改修 外壁だけでなく、目地や屋根、防水の点検・修繕時期も合わせて計画する。

フッ素樹脂塗料の特徴・注意点を詳しく読む

製品例:分類と施工仕様を分けて読む

日本ペイントの「ファインシリコンフレッシュⅡ」は、弱溶剤2液形アクリルシリコン樹脂塗料として掲載されています。公式情報には耐候性・低汚染性の特徴と、適用する下塗り材などが示されています。これは一製品の仕様であり、シリコン塗料すべての性能を表すものではありません。

公式製品情報:ファインシリコンフレッシュⅡ。製品例の掲載は、一律の採用推奨や保証を意味しません。

見積書と施工計画で確認したいこと

  1. 「シリコン」「フッ素」だけでなく、メーカーと正式な製品名が書かれているか。
  2. 下地の傷みと必要な補修を確認し、下塗りから上塗りまでの組み合わせが示されているか。
  3. 使用量、工程、乾燥・塗り重ね条件を、メーカーの指定に沿って管理する計画か。
  4. 目地や防水、付帯部の工事範囲と、施工後の点検方法が分かるか。
  5. 期待耐用年数と、契約上の保証対象・条件・免責事項を区別して説明しているか。

促進耐候性試験の時間を、条件の説明なしに実際の建物の年数へ置き換えることはできません。樹脂名だけで「必ず何年持つ」と断定せず、製品・施工・建物の条件を一緒に確認します。

岡部塗装店の考え方

当社では、樹脂の名前より先に、建物の状態と必要な補修を確認します。同じシリコン系でも、下地や既存塗膜、希望する仕上がりに適した製品と工程を選ぶことが重要です。材料の性能を生かすために、診断・素地調整・工程管理を含めて検討します。

参考にしたメーカー公式情報

2026年10月24日確認。仕様・適用条件は変更されるため、施工時は最新版の資料を確認します。