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ベランダFRP防水 『トップコート塗替え』と『防水改修』は別物です!

築20年以内の住宅では、ベランダやバルコニーにFRP防水が採用されている建物が少なくありません。外壁塗装や建物の塗り替え時に、ベランダ防水も一緒に工事するケースは多いですが、ここでよく起きるのが『トップコートの塗替えだけなのに、防水改修をしたように説明される』という問題です。
結論から言うと、FRP防水の改修と、FRP防水のトップコート塗替えは別物です。トップコートの塗替えが無意味という話ではありません。しかし、防水層そのものを直していないのに『防水改修』と受け取れる説明をされると、施主側は工事内容を誤解してしまいます。

この記事では、FRP防水の本体は何か、トップコート塗替えはどこまでの工事なのか、見積書のどこを見れば失敗を防げるのかを、できるだけ分かりやすく整理します。

FRP防水の本体は『ガラスマット+樹脂の層』です

まず知っておきたいのは、FRP防水の本体は表面の色ではないということです。
FRP防水は、ガラスマットとポリエステル樹脂などを組み合わせて、防水層を形成する工法です。つまり、雨水を止めている中心部分は『ガラス繊維を含んだ防水層』であり、表面の仕上げ材だけではありません。
現場では、床の表面に色が付いているため『この色のついた層が防水そのもの』と思われがちですが、実際には表面に塗られているトップコートは、防水層を紫外線や摩耗から守るための保護層です。
そのため、FRP防水を本当に改修するというのであれば、防水層の状態を確認し、必要に応じてガラスマットと樹脂を使った層まで手を入れることが重要になります。

トップコート塗替えは『メンテナンス』であって、『防水』ではありません

ここは誤解されやすい部分ですが、トップコート塗替え自体は悪い工事ではありません。
既存のFRP防水層がまだ健全で、ひび割れや浮き、層の破断などがない場合には、トップコートを定期的に塗り替えることは、FRP防水を長持ちさせるうえで大切なメンテナンスです。表面の保護機能を回復させる意味があります。
しかし、トップコートを塗り替えたからといって、防水層そのものを新しくしたことにはなりません。あくまで表面保護の更新です。
したがって、見積書の中身が『トップコート更新』であるにもかかわらず、施主に対して『FRP防水を改修しました』『防水をやり直しました』と説明するのは、工事内容として不正確です。

大事なのは、『トップコート塗替え』と『防水改修』を分けて考えることです。

本当にFRP防水を改修する場合は、どこまで行うのか

では、FRP防水の改修とは何を指すのでしょうか。
一般的には、既存の劣化状態を確認したうえで、必要な下地処理を行い、防水層側まで補修または再構築する工事を指します。つまり、ガラスマットと樹脂を使って、防水性能を担う層まで手を入れる工事です。
表面に軽微な色あせがある程度ならトップコート塗替えで足りることもありますが、次のような症状がある場合は、表面だけ直しても不十分になりやすいです。

  • ひび割れが出ている
  • ガラス繊維が見えている
  • 浮きや剥がれがある
  • 入隅や立上りに傷みがある
  • 排水口まわりに不具合がある
  • 歩行摩耗や経年劣化で層が弱っている

こうした状態でトップコートだけを塗っても、見た目がきれいになるだけで、肝心の防水層の問題が残ることがあります。施主として確認すべきなのは『塗るかどうか』ではなく、『どの層まで直すのか』です。

『ポリエステル系トップコート』と『ウレタン系トップコート』はどう違うのか

FRP防水のトップコートには、従来から使われてきたポリエステル系のものと、改修時に使われることのあるウレタン系などの材料があります。
実務上、ポリエステル系トップコートは厚み感や硬さがあり、FRP防水との相性の面で評価されることがあります。一方で、ウレタン系トップコートは密着性や施工性の面で採用されることがあり、改修用として使われるケースもあります。
ただし、ここは単純に『ポリエステル系が正しい』『ウレタン系はダメ』と割り切れる話ではありません。既存FRP防水の状態、下地処理の内容、どのメーカーのどの仕様で施工するかによって、仕上がりや耐久性は変わります。
そのため、施主側として本当に見るべきなのは、トップコートの名前だけではありません。

  • 既存防水層が健全なのか
  • どこまで削るのか
  • ガラスマットの増し貼りや補修をするのか
  • どのメーカーのどの仕様で施工するのか

このあたりが明確でなければ、材料名だけを聞いても判断はできません。

塗り替え時に本当に必要なのは『色を付ける工事』ではなく『必要な層まで直す工事』です

外壁塗装のタイミングでベランダ防水も一緒にすすめられると、つい『見た目がきれいになるなら十分ではないか』と思ってしまいがちです。しかし、ベランダで求められているのは美観だけではなく、防水性能です。
もちろん、既存のFRP防水が健全であれば、トップコート更新という選択は十分あり得ます。問題は、トップコート塗替えしかしていないのに、防水改修までしたような見せ方がされることです。
塗り替え時に本当に行うべきなのは、そのベランダの劣化状態に応じて、トップコート更新で足りるのか、防水層まで改修すべきなのかを見極めることです。最初から何でもトップコートだけで済ませるのも危険ですし、逆に毎回大掛かりな防水改修が必要とも限りません。
大切なのは、工事内容と説明が一致していることです。

トップコート塗替えと防水層改修では、価格差が大きくて当然です

費用面でも、この2つは別物です。

一般的な相場では、FRP防水のトップコートのみの塗替えは1㎡あたり2,000~3,500円程度、防水層からの塗替えは1㎡あたり6,000~15,000円程度がひとつの目安です。どちらも施工数量や下地の状態、立上りの形状、養生条件などによって上下します。
この時点で、㎡単価ベースでも大きな差があります。さらにベランダは施工面積が小さいことが多く、諸経費や最低施工金額の影響を受けやすいため、見積総額では『3倍以上違う』ということも珍しくありません。
つまり、トップコート塗替えと、防水層を含めた改修の価格差が大きいのは不自然なことではなく、工事の中身が違う以上、むしろ当然です。

見積書で必ず確認したいポイント

ベランダ防水で失敗しないためには、見積書の表現をそのまま信じないことが大切です。『防水改修一式』のような曖昧な書き方では、何をする工事なのか分からないことがあります。
契約前には、最低でも次の点を確認しておきたいところです。

  • 今回の工事は『トップコート塗替え』なのか、『FRP防水層の改修』なのか
  • ガラスマットと樹脂を使った補修や増し施工があるのか
  • 既存のどの部分に不具合があり、どう直すのか
  • 使う材料はどのメーカーのどの仕様か
  • 保証の対象が美観なのか、防水性能なのか

この説明が曖昧なまま契約すると、『思っていた工事と違った』というトラブルにつながりやすくなります。

業者にそのまま聞ける質問

専門用語が多くて分かりにくい場合は、難しく考えず、次のようにそのまま聞けば十分です。

  • 今回の工事はトップコートの塗替えですか。それともFRP防水層までやり直しますか。
  • ガラスマットと樹脂を新しく入れる工程はありますか。
  • どこまで削って、どこから積層し直しますか。
  • 使う材料はどのメーカーの何という仕様ですか。
  • 保証は見た目の保証ですか。それとも防水性能の保証ですか。

これに明確に答えられる業者であれば、少なくとも工事の中身を説明する意識があります。逆に、ここが曖昧な場合は注意が必要です。

まとめ

ベランダのFRP防水で一番多い誤解は、『色を塗り替えたから防水も直った』と思ってしまうことです。
しかし、FRP防水の本体はガラスマットと樹脂でつくられた防水層であり、トップコートはその表面を保護する層です。したがって、トップコート塗替えは大切なメンテナンスではあっても、防水層の改修とは分けて考えなければいけません。
そして、実際の現場では、この違いが見積書や説明の中で曖昧にされることがあります。だからこそ、施主側も『どの層まで直すのか』『ガラスマットと樹脂を使う工程があるのか』『保証は何に対して出るのか』を確認することが大切です。

ベランダ防水で損をしない人は、安い工事を選んだ人でも、高い工事を選んだ人でもありません。『その見積が、トップコート塗替えなのか、防水層改修なのかを見分けられる人』です。

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