おススメ記事
異業種が「塗り替え」に参入する理由

「塗り替え」に異業種が続々参入

安易に儲けられると考える他業種が参入しています!

正直言って、手抜きをしてもバレづらいのが塗り替えです。キレイになって当たり前!よほどでない限り素人では上手い下手の判断が出来ないでしょう。なので、ホームセンターや家電販売店、生協やクリーニング店まで・・・異業種が塗り替え事業に参入していますが、基本的な塗装知識も無く、職人が所属してもいないのに大々的に広告を出しているところも少なくありません。本来の建設業の利益率から考えれば(建設業としては)単価が高くなくウマ味(利益)は少ないはずなのですが・・・・そこにはデフレ社会であるが故の闇が存在しています。

異業種が取る、非常に高い利益

あるホームセンターから取引の申し込みがあり、担当者が弊社まで来ることになりました。
約束した日時にやってきた担当者は、その会社が店で出している単価表を示し、現調も下見積もコチラに行えという要望を出しながら「この50%で御社には工事をしてもらいたい。」と言ってきました。50%は現在(その当時)の仕入れ価格で、工事を行っている会社はクレームも多く評判が良くないので変えたいというのが、弊社に取引を持ち掛けてきた理由でした。
その時は返事を保留し、実際にその金額で工事が成り立つのか計算をしてみましたが、その会社の単価では当社の品質を維持するのは当然無理で、当社では〝一般レベル〟としている品質であっても(その会社単価の)80%以上を頂かないと厳しく、当然のことではありますが、取引は辞退いたしました。

安い価格の50%で工事が出来るカラクリ

辞退はしたものの、実際にホームセンターの価格の50%で見積から施工まで行う業者がいるという事実があるので、その実態を調べてみることにしました。
塗料などの仕入れについては同等レベルでした。しかし、人件費は全く異なっていました。ホームセンターは工事に掛ける人数も少なく、施工する人も私たちが職人とは呼ばない人たちで、当たり前ですが仕上がりはプロのそれとはまったく違います。正直言って、素人が塗ることに慣れ、一般の人よりは早く塗れるといったレベルでしかありません。本物の職人ならば恥ずかしくてお金を取れるような工事レベルではありませんが、何もわからない素人が見たら(塗り替えることで)キレイになったと思ってしまうのかもしれないです。
また、塗り替え業に参入してきた異業種に、積極的に売り込み、安い価格で請けながらも職人とは言えないレベルの下請けを使って利益を出している営業会社(当然クオリティーは最悪)もあります。ある程度長く営業していて組合にも入っている塗装会社でも、低い品質でも平気で通常料金を取っている会社も少なくはないので業界は混沌とするばかりです。
この様に塗り替えは、消費者が工事に依頼を考えても、価格だけでは判断できない面もあり、業者の選択からしてストレスのかかる作業となってしまっています。

異業種参入は儲かるから多い

この様に、異業種が参入する理由は利益が良いからです。
ホームセンターや家電量販店などは、受け付けるだけで数十万円という金額が得られます。リフォーム店のようなところでも見積を作るだけで、後は全て下請け任せというところも多く、それらの会社も1軒で多額の利益を得ています。
では、弊社が同じ利益を得られるかというと・・・絶対に得られません。彼らが得ている利益は、本来は掛けるべき人件費や見えない部分に使う材料費を省いて生み出された金であるので、それらを省くことなく工事を行うと建築業では普通のレベルの利益しか得られないのです。
払った金額に見合った工事を得たいのならば、異業種の塗り替えサービスには絶対に依頼してはいけません。

塗装専門を掲げる業者も大きく利益率を取る会社がいる!

では塗装専門であればそんなに高い利益を取らないのではないかと考えるかもしれませんが、頻繁に広告を出し、検索でも上部の広告欄に出てきて、ネットのプッシュ広告も多くみるような会社がありましたら、先ずそのような大きな利益を取っていると考えてよいでしょう。チラシだけで最低でも1回何十万円もかかります(配布範囲にもよる)し、検索上部の広告や、プッシュ広告はあっという間に数万円の費用が発生します。それらも全て消費者が支払う代金から賄われていますので大きな利益を取らないと成り立ちません。

100万円払って、行われる工事の原価が総額で50万円以下では・・・・真っ当な者が出来ると考えるのは無理があります。

おすすめの記事
技術と信用なら!岡部塗装店
技術と信用なら!岡部塗装店
150年は伊達じゃない!長い歴史と実績で積み重ねてきた技術と信用 塗装業を150年近くやっておりますと、様々な技術だけでなく多くのノウハウが溜まっています。塗装に関して建築会社や設計事務所といったプロからの技術的な問合せや協力依頼が弊社には多くあります。 その様な事例をいくつかご紹介します。 ①一般の塗装会社が出来ない...
ウレタン樹脂塗料とは~2022年最新塗料事情
ウレタン樹脂塗料とは~2022年最新塗料事情
2022年最新版 ウレタン樹脂塗料とは、どのような物か? ウレタンは、もう過去の塗料か・・・・。 外壁などに用いるウレタン樹脂塗料は期待耐久年数が外壁で8~10年ながらも価格が少しだけ安いことから今でもメインで使っている業者はいます。ただ、標準的なシリコン樹脂塗料と価格差があまりないので、多くの業者が特別なオーダーがな...
バイオ洗浄は必要か?
バイオ洗浄は必要か?
高圧洗浄時に、バイオ洗浄は必要か? バイオ洗浄とは何なのか? バイオ洗浄の名前を初めて聞いたのは1990年代の後半、今では破綻して無くなっているペイントハウスが行っていた洗浄方法でした。どういった物かというと、高圧洗浄をするときに洗浄水の中に洗剤を入れて洗うというもので、普通の高圧洗浄よりも高い費用を得るための手段であ...
スレート瓦が割れる!「2004年問題」
スレート瓦が割れる!「2004年問題」
スレート瓦の2004年問題 初期のノンアスベスト瓦が割れて崩れる! 最近は金属屋根の家が増えてきましたが、まだまだ薄型スレート瓦が多くの家で使われています。価格が安く、軽く工事も比較的簡単なので建築コストを抑えるために「コロニアル」や「カラーベスト」の別称(いずれも商品名)で1980年頃から多く使われるようになりました...
タスペーサーで縁切りできるのか?
タスペーサーで縁切りできるのか?
タスペーサーは、スレート屋根塗装時には縁切りする?? 「縁切り」とは 「縁切り」とは、スレート屋根瓦同士が塗料で接着してしまって水が抜けるための隙間を埋めてしまうことを避けるために、塗装が終わった後に行う作業です。 スレート屋根は、重ねて葺いてあるので、重なった間に液状である塗料は入り込むため、塗ったままだと接着してし...
省エネ塗装って何だ?
省エネ塗装って何だ?
省エネ塗装は実在するのか? 「省エネ塗装」というPRを目にすることがありますが、そんな物が実在するのでしょうか? 屋根や外壁に塗るだけで、消費電力が減る塗料が本当にあるのか? 今回は「省エネ」に該当しそうな商品類とその実際の効果について書きます。 「省エネ」になる可能性が有る塗料と塗装 省エネというと、まず「遮熱塗装」...
塗装トラブル相談の事例①
塗装トラブル相談の事例①
消費者からの塗装トラブル相談① 自称ナンバーワンの会社の手抜きとウソ 弊社では、消費者から他社が起こしたリフォームトラブルに関しての相談を受けています。 県内の業者が起こしたリフォームトラブルについても相談されるのですが、その中で常連というか、よく出てくる会社が県内で数社あります。 今回は、最近一般の人にも分かりやすい...
ローラーだけで塗装する弊害
ローラーだけで塗装する弊害
ローラーだけで塗装するのは手抜きと言える! 弊社の建築現場のお隣で、塗り替え工事が行われており、施工の様子を見ることと工事を行っていた職人さんたちと話す機会があったので、今の塗り替え業界で起きている問題点と施工している人たちの厳しい現状をお話しします。 ローラーだけで工事を行う職人(?) 本来は、端部や入隅、細幅の部分...
第1話 ハロウィーン
第1話 ハロウィーン
午後、窓から通りを見下ろすと仮装をした子供の集団が移動していく姿が見えた。 大学のすぐ近くに住んでいたが、アメリカと言っても都会でアパート・・・日本で言うマンションばかりの地域であるため、子供たちは闇雲に「トリック・オア・トリート」と言って家を回ることはなく、知り合いの家だけを大人が同伴して回っていたのだ。 その夜には...