コロナ禍で、塗り替えのトラブル相談が急増
接客があまり必要でない建設関連業は新型コロナウィルスの影響を直接はありませんが、自粛期間中に多くの人が在宅していたことで思ってもよらない事態になっている会社があるようです。外壁塗装や屋根塗装においては、在宅していながら塗り替えやリフォーム工事を行った消費者から、工事の出来や工程(手抜き)の疑いに関する相談が急増しました。
今回は、ぜひ皆さんに知っていただきたいと感じ、思い切って書きたいと思います。
コロナ禍で、急に増えた塗り替えやリフォームのトラブル相談
弊社では、全国からトラブル相談とその解決に向けたコンサルタント業務を行っていますが、コロナによる自粛期間中に何故か相談が急増しました。大小様々なトラブルの相談があったのですが、今年は今まで少なかった県内からの相談が多くあり、なんと県内であった相談の75%が同じ数社とのトラブルでした。
県内の相談者は皆さん「騙された」、「約束した回数が塗られていない(と思う)」、「塗装が薄い」、「(あの会社の)口コミなんか全部ウソだよ!」などと同じようなことで憤慨なさっていました。調査をすると、相談してきた方の言う通りで塗り回数が規定よりも少ない部分が見られたり、明らかに手抜きと思われる部分があったりしました。でも、どれも一見ではわからないぐらいの巧妙な手抜きで、日ごろから手抜きに慣れている者の仕事であると思われました。
なぜ?・・・・・急に増えたのか?
コロナ禍で家にいた人が、早すぎる仕上がりや不自然な行動に気付いた以外にも、ご近所から手抜きをされたのではないかと教えられたという人もいて、多くの人がステイホームしていたことによって今までは気付かれなかったことが露呈したのではないかと考えられます。
巧妙な手口①・・・・・写真を撮るところ以外は手抜き!
「工事中の(工程)写真を撮ります」というので信用したという被害者から、業者が撮った写真を見せていただきました。工程ごとに写真が撮られていましたが・・・なんと、写真が撮られていない場所の多くに明らかな手抜きがありました。普通ならば気づかないのでしょうが、何か違和感を感じたその被害者が、全体をよく見たら不自然な色ムラと端部の僅かなハガレがあり、施工した業者に連絡をしたものの納得がいく説明もなく、詰め寄ったらやっと直してくれるということになったのですが、当然その人は納得できず当社に調査の依頼をなさってきました。
詳しく調査をすると、色ムラに気付いた場所だけでなく、他にも意図的と思われる手抜きが多く発見しました。
巧妙な手口②・・・・・作業日誌もデタラメ
その業者は、毎日その日に行った作業を日誌に書いていったそうですが、写真をみながら考えると不自然に速く仕上がって日や日誌と写真が合っていない日などがあり、日誌の内容がまるでデタラメであったことが分かりました。工程の不自然などは素人では気付きづらいものですので、他では気付かれなかったのでしょう。。。
巧妙な手口③・・・・・余るはずが空き缶になった塗料
写真では塗料はきれいに使い切ったことになっていましたが、施工数量から考えると余りが出るはずでした。そこから分かるのは、空き缶の写真も作られたものであることです。本当は使っていないのに、使ったと見せるために他の空き缶をもってきて写真を撮るという手口は、公共工事でもよくない会社が行っている手口で、相当手馴れている証拠です。
工事以外の事をするという会社は信じてはいけない!
「写真を撮る」、「日誌を書く」などということは、どれも職人が行うことではありません。腕があってどこでも通用するような職人であれば、その様な「仕事外の作業」をやることを嫌がりますし、やりません。
会社に言われたからと、必要もない写真を撮り、(客に好まれるような)日誌を書くことを行う職人は、それをしないと雇ってもらえない、下請けならばそれを行わないと仕事が得られない、3流以下の職人です。したがって、事故が発生する確率も高いですし、手抜きも平然と行います。
工事監督料を払い、監督が常駐して写真を撮り日誌を書くのなら写真も日誌もありだと思いますが、そうなると工事代金にプラスで50~100万円以上必要です。そんな工事を行っている会社は、たぶん日本国内にはありません。
「弊社は写真を撮り、工事日誌を書きます」などとアピールする会社は技術的な問題があると思って信用ないことです。
信用があり、自信がある会社ならば、その様な雑務を求めれば、信用されていないと思い工事を断るでしょう。十分な費用を貰うことで断らなかったとしても、決してこころよくは思いません。どうしても写真が欲しい場合でも、予め事情を説明しかかる費用を十分に支払うことを明示したうえで請けてくれるか聞くと良いです。