
『雨漏りは屋根から入って、真下に落ちてくるもの』と思われる方は多いです。
しかし、実際の現場ではそう単純ではありません。
雨水は、屋根・外壁・取り合い・庇・梁・床下地などを伝って移動し、侵入した場所とはまったく違う位置に症状が現れることがあります。
今回ご相談いただいたのは、まさにその典型でした。
1階の部屋の真ん中の天井から雨漏りしているのに、屋根にも2階にも原因らしい異常が見当たらないという、非常に分かりにくいケースです。
何社もの建築会社や工務店が調査しても『原因不明』とされ、長年お住まいの方を悩ませていました。
弊社では、建物本体だけでなく周辺環境も含めて確認し、水の流れを仮説立てして検証した結果、原因を特定することができました。
この記事では、その事例を分かりやすくご紹介します。
結論からいうと、原因は『屋根そのもの』ではありませんでした
今回の雨漏りは、屋根の不具合が直接の原因ではありませんでした。
原因は、お隣の家が金属屋根へ葺き替えたことによって雨水の流れ方が変わり、その雨水が本来の経路である雨樋にうまく入らず、庇に落下して跳ね上がり、雨が入りにくいはずの外壁の隙間から侵入していたことでした。
侵入した雨水は、1階と2階の間にある梁の上や2階床下の木部を伝って移動し、最終的に1階の部屋の中央付近で雨漏りとして現れていました。
つまり、『漏れている場所』と『入っている場所』が大きく離れていたため、原因の特定が非常に難しかったのです。
ご相談内容は『屋根からの雨漏りがないか見てほしい』というものでした
最初にいただいたご依頼は、『屋根からの雨漏りがないか見てほしい』というものでした。
現地で屋根を確認したところ、屋根材の破損や明らかな侵入口は見当たりませんでした。
さらに、2階の室内も確認しましたが、天井や壁には雨漏りの形跡がありません。
ここで詳しくお話をうかがったところ、実は1階の天井から雨が漏っていること、さらに過去には他社が2階の畳を上げた際、その下に大きな水たまりがあったことが分かりました。
しかし、2階には水回りがありません。
また、屋根からの雨漏りのような痕跡も見当たりませんでした。
これでは、普通に考えると原因が分からなくなってしまいます。
なぜこの雨漏りは『原因不明』になりやすかったのか
この事例が難しかった理由は、大きく分けて3つあります。
1. 雨漏りの症状が『1階の部屋の真ん中』に出ていた
外壁際や窓まわりで雨漏りが起きていれば、外壁・サッシ・取り合い部を疑いやすくなります。
しかし今回は、部屋の真ん中です。
そのため、多くの方が『真上の屋根か、2階の床下付近に原因があるのではないか』と考えやすい状況でした。
2. 2階に分かりやすい漏水跡がなかった
2階の天井や壁に雨染みがあれば、上階で何か起きていると判断しやすくなります。
ところが今回は、2階には目立つ漏水跡がありませんでした。
それでも畳の下には水がたまっていたという点が、さらに原因を分かりにくくしていました。
3. 雨水の通り道が非常に複雑だった
雨漏りは、入った場所から真下へ落ちるとは限りません。
梁の上、床下地の上、木部の表面などを伝って移動し、最後に水がたまりやすいところや弱いところで表面化します。
今回も、まさにその現象が起きていました。
まず疑ったのは、1階と2階の間の隠れた配管や雨樋でした
症状の出方から、最初は1階と2階の間に隠れた雨樋や給排水配管があり、そこから漏れている可能性も考えました。
しかし、確認を進めても、そのような配管や雨樋が通っている形跡は見当たりません。
水回り設備の不具合という線は薄いと判断しました。
そこで発想を変え、『設備』ではなく『水の流れ』から考えることにしました。
雨漏り調査では、目に見える部材や破損箇所を追うだけでは答えが出ないことがあります。
そういう場合は、『どの方向から、どの勢いで水が当たり、どこを伝っていけるか』を立体的に考える必要があります。
詳しく聞き取りをすると、『いつでも漏るわけではない』ことが分かりました
原因不明の雨漏りでは、現象が起きる条件を整理することが非常に大切です。
・雨が降れば毎回漏るのか
・強い雨のときだけなのか
・台風のような横殴りの雨で出るのか
・長時間降ったときに出るのか
こうした条件を確認すると、侵入口の性質が絞れてきます。
今回のケースでは、常に漏るわけではなく、雨の降り方や量によって発生の仕方に差があることが分かりました。
この時点で、『単純な屋根の穴』ではなく、雨水の当たり方や流れ方が関係する可能性が高いと考えました。
この後は、noteで公開しています。
コチラ⇒
まとめ
雨漏りは、必ずしも真上から起きるわけではありません。
見えている場所だけを追っていては、いつまでも解決しないことがあります。
『屋根を見ても原因が分からない』
『何社にも相談したが止まらない』
『漏れている場所と原因がどうしてもつながらない』
そのような場合は、建物の一部分だけではなく、水の流れと周辺環境まで含めて調査することが重要です。
雨漏りでお困りの方は、表面の症状だけで判断せず、原因を丁寧に追える専門家へご相談ください。
雨漏りは、見えている場所と原因の場所が違うことが少なくありません。屋根を直しても止まらない、何社に見てもらっても原因が分からない、そのようなケースもあります。
群馬・埼玉・東京で雨漏り調査や修繕のご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
-scaled.png)








