前橋東照宮 本殿 令和の大改修 を請負いました!
神様のいる場所が本殿です
昨年(2020年)、前橋東照宮の本殿の改修を仰せつかり、12月から工事を行っております。
内容は、銅で出来た屋根を葺き替え、建物は築年数相応の古さ傷みを残したままキレイにすること。灰汁洗いで白木に戻すのではなく、「相応の」色味を残せという特別なオーダーです。
神社は、本殿と拝殿があり、お祓いを受ける場所は拝殿です。この拝殿は、地元群馬県前橋市の大手建設会社である佐田建設が請負い建て直しをする予定です。(2021年10月完成)
弊社が仰せつかったのは、神様の居所である「本殿」で、江戸時代の建物です。
改修の方法と技術
本殿は古い木製の建物なので、苛性ソーダを主とした灰汁洗い用の薬品を使ってキレイにするのが王道なのですが、何せ江戸時代に作られた建物で表面が傷んでいるため、そんな薬品を使えば白くはなりますが、木材自体がボロボロになりますし、相応の古さを残すのではなく、白ボケたような建物になってしまうため、テストの結果で「使えない」という事になりました。
そこで過酸化水素などいろいろと試し、オリジナルで汚れ成分だけを抜く工法を編み出しました。オリジナル工法ですから当たり前なのですが、作業に当たっている職人が、高圧洗浄機を使っても水だけの洗浄では灰汁は落ちないのに、オリジナル工法では灰汁が浮き出てくることに非常に驚いております。
屋根は、有名な寺社仏閣の金属装飾品も製造し納めている山形県のアマルメ工芸社様に装飾品はご協力いただき、弊社協力会社の板金職人さんが中心となり現代の名工としても表彰されたベテランの職人さんたちの協力も得て、加工や取り付けの作業をしております。施工前には緑青がふき、腐食などが多くみられた屋根でしたが、工事によって現在のところ銅色に輝く屋根となっています(もうすぐ完成です)。
取り付けてあった鉄製の徳川家の紋(三つ葉葵)は全て取り外し、錆と汚れを取り除き再度仕上げを行っています。通常は、錆を落とすときに表面を削るため紋の陰影が薄くなってしまうのですが、こちらも特殊な工法を用いて紋の陰影をクッキリと残したままキレイに錆を落としました。
非常に簡単にご紹介いたしましたが、全てが古い物ですので、屋根も洗いも紋の修復も何をするにも通常の方法で簡単に進めることが出来ないものばかりで、その都度状態に応じて対応する能力が求められます。弊社の強みは、お客様の希望が高い高級住宅の建築を行うことが出来る技術を持ちながら、明治時代から続いている塗装業も同時に行っていることで、非常に細かなことまで臨機応変に対応できるますので、前橋東照宮の本殿改修はその強みと技能を発揮できた工事であると感じています。