戸建て住宅のベランダに多く採用されているFRP防水
塗り替え時にベランダなどの防水工事の上塗りを一緒に行うことが多いですが、この防水工事を普通の塗装屋さんが行うと次回のメンテナンス時に困ったことになるケースがあります。 今回は小面積の防水(ベランダなど)で多く採用されているFRP防水についてメリット・デメリットも交えながら紹介します。 (ベランダ防水の直し方はコチラ)FRP防水とは、どのような物?
1FRP防水の材質や形状
FRP防水は、現場施工でFRP(繊維強化プラスチック)の層を形成する防水工法で、主にガラス繊維をポリエステル樹脂で一体化して形成します。現場で成型するのでシームレス(つなぎがない)な一体の防水層とすることが出来ます。2FRP防水のメリット
バスタブやボートにも使用されているFRPの特徴を応用した工法なので継ぎ目がない一体形成で、軽くて強く、耐候性や耐薬品性などにも優れます。現場形成であるので、補修することが可能です。また定期的なメンテナンスで長く防水性能を維持できます。3FRP防水のデメリット
プラスチック(のようなもの)であるので、固く伸縮性が少ないため、広い面積への施工は向きません。また、ベランダのような狭い面積でも大きく動く木造の3階以上の部分に使用した場合は割れが起きることがあるので使用をしない方が良いです。FRPとは何の略?
FRPは、繊維強化プラスチック(ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を樹脂で固めてプラスチック状にしたもの)を英語表記したときの頭文字(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で軽く強度が強いという特徴があり、ボートやバスタブなどに多く使われています。
4FRP防水のメンテナンス
10年毎のメンテナンスをおススメします。大きな傷みがなく、十分な施工(※)がなされていれば、FRP防水はトップコートの塗り替えだけでも問題ありません。ただし、塗り替えるトップコートはポリエステル系のトップコートを使用しましょう。
(※)十分な施工とは・・・・一般的に行われている工法ではなくメーカーの規定通りに施工されたものを指します。新築時(木造住宅)には一層だけで施工されたFRP防水が多いため、その様な防水を改修する場合と、傷みが大きい場合はトップコートだけでなく、既存の防水の上にFRP層を一層構築することをおススメしています。