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外壁塗装前に必要な下地補修とコーキング工事の正確な位置づけ

外壁塗装において最も重要なのは、仕上げ材としての塗料の選定や施工方法よりも、下地の健全性を確保するための補修工程です。外壁材は経年劣化により、微細なクラックから構造的に問題となる深刻な損傷まで様々な不具合を生じます。これらの不具合を適切に補修しないまま塗装を施すと、塗膜の早期剥離や防水性の喪失を招き、工事全体の耐用年数を著しく低下させます。

専門的に求められる補修内容

  • ヘアークラック補修:0.3mm未満の微細なクラックはフィラーや微弾性下地材などで被覆し、追従性を確保します。
  • 構造クラック補修:0.3mm以上のひび割れは、いまだにほとんどのリフォーム会社や塗装会社(ほぼ100%で)UカットまたはVカット処理を施し、コーキング(変成シリコンを使用するのは間違った工法です)やエポキシ樹脂モルタルを充填・成形した後、弾性下地処理を行い直していますが、すでに補修痕が目立たない新しい工法が確立されており、技術的な更新を行っている限られた会社は、新しい技術を用いて品質の高い工事を行っています。
  • モルタル欠損補修:欠落部位はモルタル樹脂系補修材で充填し、下地との一体化を図ります。場合によってはラス補強が必要です。
  • サイディング浮き・反りの是正:既存のビス・釘の緩みを除去し、新規ステンレスビスで固定。割れが生じている場合、修理可能な範囲であれば専用の補修材で成型しますが、修理不可能な場合は貼り換えなどを検討します。
  • 鉄部の錆補修:腐食度合いに応じてST-2〜ST-3相当のケレン(これが重要です)を実施し、エポキシ系防錆プライマーの防錆力が高い塗材で防食性を確保します。

これらの工程は「下地補修工事」と総称され、塗装工事の品質保証に直結します。JIS規格や建築仕上げ診断技術者(ビルディングドクター:弊社保有している資格です)の診断に基づく適切な補修仕様の選定が求められます。

コーキング工事は補修ではなく防水処理

外壁リフォームにおいて「コーキング(シーリング)を打ち直したから補修は完了」と説明される場合がありますが、これは厳密には誤りです。コーキング工事の目的はあくまでも外壁材の取り合い部の伸縮や揺れに対応し、隙間を一時的に防水・気密化することです。つまり、コーキングは外壁表層の不具合を“修復”するのではなく、防水機能を確保するための付帯工事であり、構造的な損傷(サイディングの目地ではないです)の補修とは明確に区別されます。

まとめ

外壁塗装において耐久性を最大化するためには、塗料性能のみに依存するのではなく、適切な下地補修の実施が不可欠です。コーキング工事は必要な工程であるものの、補修とは性質を異にします。発注者は施工業者に対し、使用する補修材の種類・施工手順・対象部位を明示させ、塗装仕様書や工程写真によって補修内容を確認することが重要です。これにより、塗装工事の品質と長期耐用年数を確実に担保することができます。

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