サイディングの塗り替え時にはシーリング(コーキング)の打ち替えが必要!
この20年ぐらいでサインディングが住宅外壁の主となりまして、ALCやモルタルで壁が作られる家はあまり見なくなりました。高意匠のジョリパットなどで仕上げられていて下地はモルタルかなと思ったらサイディングの大壁工法であったりで、窯業系にしろ金属系にしろ今建てられている家のほとんどがサイディングの外壁なのではないかと思います。
その中で塗り替えも多い窯業系のサイディング板の塗り替えについて下記の5回にわたりご紹介します。
- シーリングの打ち替えは必須(マスト)
- 新築時の仕上げと現在の傷み具合を診て下塗りを決めるべし!
- 割れなどの傷みの直し方
- クリヤー塗装は、条件がある
- 家によって必要な工事、工法は変わることを知っておこう!
1サイディングは、シーリングの打ち替えが必須(マスト)
窯業系サイディングには板の間の目地と開口部周りにシーリング(コーキング)がなされています。
このシーリングで防水性を保っている面もありますので、劣化したまま放置することは決して良いことではありません。
昔は、シーリングを打ち替えないでそのまま塗り替えてしまう塗装会社が多く、シーリングの打ち替えを提唱していた弊社には同業者から嫌がらせがあるなどしましたが、今では打ち替えるのが正しいという認識が広まり、基本的に打ち替える会社が多くなっています。昔は、打ち替える会社はほとんどなく、単層弾性塗料を塗って誤魔化したり、撤去しないで開いた口にアクリルシーリングを詰め込ん(増し打ち)で塗装されていました。
目地を「増し打ち」するという業者には要注意
残念ながら、開口部のシーリングは撤去が面倒なので、未だに打ち替えではなく、”増し打ち”として表面をシーリング材で擦るだけの業者も多いです。実は撤去する契約なのに「増し打ち」で誤魔化してしまう業者(職人)も結構います。その様な施工がされ塗装がなされてしまうと区別がつきづらいため注意が必要です。ただし、新築時にサイディングの貼り方が不適切であったり、サッシの選択が間違っているとどうやってもシーリングの撤去が出来ないことがあり、どうやっても打ち替えられないケースもあります。もし、業者が「窓周りは増し打ちで行います。」と言いましたら、なぜ撤去できないのを詳細に説明するように求めてください。闇雲に「撤去できない」というのでは理由になりませんので、その時点で対象業者はNGです。
新旧シールの相性が良くないといけない
もう一つ知らないといけないのは、シーリングを打ち替えるときに相性です。サイディングメーカーが現在塗り替え対象となっている製品に推奨していたシーリング材は基本的に変性シリコンシーリングです。変性シリコンを打ち替える場合に、アクリルシーリングやウレタンシーリングは原則として使えません。これは建築仕上げを学ぶと必ず出てくることですが、意外と知られていません(塗装業界は学ぶことをしない人も多いです。)。逆にウレタンシーリングの打ち替えに変性シリコンシーリングは使えますので、シーリング材の選択も相応の知識が必要です。
クリヤー塗装時は、シーリング打ち替え時に特別な注意が必要
最近多くなってきた、高意匠サインディングにクリアー塗装をする場合のシーリングですが、これは後打ちで行ってください。明確な理由があるのですが、知識もなく、学ぶこともない他社が理解しないで消費者に説明する可能性があるのでここでは記載しません。どうしても理由が知りたい方は弊社に工事をご依頼いただければ納得できる理由をご説明いたします。もう少し詳しくは、後の「 4.クリヤー塗装は条件が厳しい! 」でお伝えします。