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下請を使うのはアリ?ナシ?(後)

下請が手抜きをするには理由

前回お伝えした通りで、塗り替え業界における下請け業は、非常に厳しい状況に置かれています。技術よりもスピードが重視され、仕事の良し悪しも区別がつかず、ただ売って一部をかすめ取るだけの元請が増えたこともあるのですが、修業することを嫌がり、安易な方法で儲けようとする職人モドキが増えたことも業界のレベル低下の一因にはなっています。

元請けの社会的な責任

金融機関などは、方法は問わずに利益を上げる会社を良い評価をします。しかし、世界的な基準でみると不公平な取引で利益を上げる会社を社会は許していません。ユニクロが新疆ウイグル自治区で作られた綿を使った衣類を販売しているとしてアメリカで輸入差し止めとなり、フランスでは人道犯罪として捜査を受けています。これは経済的社会的に弱い立場にある発展途上国の生産者を著しく安い賃金で働くことで、経済的社会的に強い立場にある先進国の消費者が大きな利益を得ることを問題として「公正な取引をすべき!」という考え方に基づいた行動です。今の世界において企業はより高い倫理観と真の意味でのコンプライアンス遵守(現代日本の表面的なコンプライアンス遵守とは異なります)が求められています。
しかし!日本の建築業界では国内にも関わらずアンフェアな取引が日常的に行われており、職人たちも技術を学ぶ場所がほとんどありません。技術が向上せず、手抜きが増えれば、最終的に消費者にシワ寄せが行き、高額な代金を支払っても低いレベルのサービスしか受けられなくなります。事実そうなっている地域は少なくありません。

当社では基本的に塗装職人を直接雇い入れています!

もちろん儲けられるに越したことはありませんが、不公平な取引で職人からも搾り取るようなビジネスは正しくないと当社では考えています。自社で直接行わないような工種(足場など)でも、なるべく安い金額での協力はお願いしながらも毎回利益として問題がないか確認し、フェアな取引となるように心がけています。

また、自社では基本的に職人も社員として雇い入れ、社会保険など公的手続きは会社が担うことで安心して働けるようにしています。安心して働いてもらい、その中で技術を習得できるような環境づくりに当社は早くから取り組んでおりますが、まだまだ古いシステム下での労働が主流な業界で、社会保険料の自己負担分が理解できない者も多く、自社職人の限界を感じ始めています。。。。

下請を使うのならば、厳選し、公正な取引をすることが重要!

先にも書きましたが、今の塗り替え業界では不公平な取引が横行し、そのためいくら元請が「手抜きがない」と言っても現場レベルで行われてしまうといった問題があります。「下請けでも約束とおりの工事をするべき。」という意見もあるかと思いますが、請負金額が低すぎているわけですから、下請けである職人たちには届きません。納得できる手間賃を支払うからこそ、下請け業者もそれに見合った仕事をしてくれます。ただし・・・・日ごろから手抜きをし慣れている職人は意図せずに作業が手抜になってしまいます。日ごろから手間暇をかけられる仕事を主体としていないと良い仕事は出来ないのが職人の仕事です。
元請は、手間暇かけることを厭わない職人を厳選し、その上で公正な手間賃で作業をしてもらうように心がけないといけない、相当者は考え実行しています。

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