屋根や外壁のトタンと思われているのはガルバリウムです!
最近ガルバリウム鋼板葺き屋根の新築が多くなっています。塗り替え頻度も少なくて済み、価格も安く軽いため躯体も安く出来るといったメリットがある反面、遮熱性能や雨音が大きいなどのデメリットもあります。今回は屋根だけでなく外壁にも使われているガルバリウム鋼板の塗り替え方法についてお話しします。間違いだらけのガルバリウム鋼板への塗装
ガルバリウム鋼板は錆びづらいという特性の他、 表面にメッキが施されているため塗料自体が付着しづらいものです。 「付着しづらい=塗装は剥がれやすい」ので剥がれづらい施工をしなければいけません。その方法は非常に単純ながらも、未だに短期間で剥がれるような塗装しかできない塗装会社が多いです。塗ってすぐに剥がれるわけではないので消費者が気付くことも少なく、単に早目に劣化した程度の認識や対応で済まされている事案も少なくありません。特に屋根や壁以外に使われているトタンと思われている部分をプライマーなしで塗装する業者が多いのですが、これは明らかな手抜です。ガルバリウム鋼板とは
ガルバリウム鋼板とはアルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板のことで、JIS(日本工業規格)でJIS G3321として規定されています。非常に高い防食性があり、屋根が外壁にも多く使われています。最近は、メッキ組成にマグネシウムを追加し更に性能を上げたものもあります。 このガルバリウムも永遠に錆びないものではなく、やはりメンテナンスが必要です。30年もつ?ガルバリウム鋼板の実際の耐久年数
バブル期ごろから一般的に出回るようになったガルバリウム鋼板の屋根も10年ほど前から美観上の問題などで塗り替える機会が出てきました。 30年を経過した物でも、錆が多く発生しているというものは見たことがありません。ごく稀に何かしらにキズによって部分的に錆が発生している物もありましたが、ほとんどが表面のカラーが薄くなりマダラになったという事での塗り替えで、ガルバリウム鋼板の屋根は非常に高い耐久性があるというのは事実です。 鋼板のメーカーが25年以上の穴あき保証を設けている物も多く、適切なメンテナンスを条件に50年の穴あき保証をしているメーカーもあるそうです。塗り替えしなくてもいいの?
25年以上の穴あき保証があると言っても、メンテナンスなしでは寿命は短くなってしまいます。多湿な地域では早く錆が発生することもあるようですので、防錆も含め塗装(塗り替え)をして出来るだけ寿命を延ばす使い方をするのが適切なのはトタンと変わりません。ガルバリウム塗り替えの注意点
ガルバリウム鋼板も、ちゃんと施工すれば塗り替えることが出来ます。 工法は・・・- 高圧洗浄でこびりついている汚れなどを洗い流す
- 足付けのためにケレンを行う
- ”ガルバリウムに対応した”プライマーを正しい方法で塗る
- 中塗り
- 上塗り
外壁に使われている場合は仕上げ方に注意が必要
ガルバリウム鋼板の外壁材はメタリック調であるなどでソリッド塗装であるものは少ないです。また、鋼板であるため若干の不陸があるので状態を踏まえた仕上げ方を行う必要があります。単純に単色で塗り替えると、まるでトタン貼りの小屋のような安っぽい仕上がりになりますので、施工時には充分な打ち合わせをして、仕上げ感を確認。屋根だけでない”ガルバリウム”が使われている”ところ
ガルバリウム鋼板は屋根や外壁以外にも多くの場所で使われています。 窓の庇(露よけ)の屋根部分や薄型スレート屋根(コロニアル屋根)の棟や谷、基礎の水切りなども現在はガルバリウム鋼板です。そのような付帯物に対してはプライマーも使わず、足付けも行わないで「上塗り2回」の仕様で施工(確実な手抜き)をしている業者が非常に多いですが、その様なところも早期に剥がれてくる危険性が高い場所ですので、必ず上記の5工程を行ってくれる業者を選びましょう。(尋ねるのではなく、自ら説明してくれる業者が良いです。尋ねれば日ごろ手抜きでやっている業者は、あたかもちゃんとやるような回答をします。)ガルバリウムはいつから使われている?
ガルバリウム鋼板が開発されたのが1972年です。それから国内の建築に一般的に使われるようになったのが1990年ごろからで完全にトタンと取って変わられたのが2000年ごろです。そのころまでは未だトタンの在庫が出回っていましたので、屋根はトタンとガルバリウムが混在した時期が数年間あります。現在の板金は、トタンとされている部分は100%と言っていいぐらいガルバリウム鋼板が使われています。