ラジカル制御塗料とは
ラジカル塗料について教えて欲しいという問い合わせが、最近多くなってきました。
正確には、ラジカルという塗料はなく、化学的には不対電子を持つ原子や分子のことを指します。ラジカルは極めて不安定かつ反応性の高い状態の分子種で、非ラジカル種と反応する際に電子を奪い取って安定化し、反応後には新たなラジカルを発生させます。この現象は、劣化を進めます。
塗装の場合、紫外線を浴びることで、このラジカルが発生し、劣化を進行させます。
ラジカル塗料とは、正確にはラジカル制御型塗料といい、ラジカルを発生しづらくする機能を持った塗料のことを指します。
最近流行りのラジカル制御型塗料で主なものは、以下の物があります。
パーフェクトトップ | アレス ダイナミックトップ | プレミアムシリコン |
日本ペイント | 関西ペイント | SK化研 |
この他にも、同じ原材料だと思われる塗料があります。どれかが特別に秀でているということはありませんが、メーカーごとに顔料や添加剤の配合が異なりますので、品質の良し悪しはあると考えられます。日本ペイントや関西ペイントなどの国内大手上場塗料メーカーの物は製品の安定性が高いですが、塗料販売店では扱っていないようなクローズ商品の多くは、質に対して価格が不当に高いものが出回っていますのでお気を付けください。
中身は何?
ラジカル制御型塗料は、性能名であって、塗料の種別ではありません。現在主流のラジカル制御型塗料の主材は、シリコン樹脂塗料です。フッ素樹脂を主材としたラジカル制御型塗料もありますが、価格帯が全く異なるため、特別な記載がなく、価格も一般的な場合はシリコンを主体としたものを使用すると考えてください。