あいじゃくり

動画サイトで、サイディング部分の「あいじゃくり」部分について持論を展開しているものを見つけて、このサイトを見てくださっている皆さんにも、事実を知っていただきたいと思い今回詳しく説明したいと思います。
まず「あいじゃくり」とは、どのような部分か説明します。
漢字では、合い決りや相決りと書き、「2枚の板の重ねる部分の厚さをそれぞれ半分に削って、重なってない部分と同じ厚さにして貼り合わせる工法」です。外壁サイディングだけでなく室内の木製羽目板やフローリングなどにも多く使われています。
サイディングの場合は、特に横張サイディングを塗装した場合に、その合わせ目が目立つことから、以前からその合わせ目を埋めるか、埋めないかという議論が「塗装屋」の中では長い間行われていました。直貼りサイディングの建物が多かったころは、そのような隙間を埋めるのが当たり前でしたし、構造から埋めても問題はありませんでした。しかし、サイディングの下に通気層を設けるようになってからはその隙間は「埋めてはいけない」ものになったのです。しかし、塗装屋の多くは、塗装以外の工法についての知識などありませんので、直貼りサイディングの時代に覚えたままの知識で何でも同じに施工してしまう人が多く、なかなか古い工法が正されることはありませんでした。この間違いがなかなか解消されなかったのは、
昔有名であったある塗装業者がサイトで「この部分を埋めてはいけないというのは根拠がなく、勘違いだ」としていたことも、間違った工法で行われ続けた原因の一つであると思います。(その業者はいち早くネットにホームページを設けてブログ形式で作業の様子などをアップし続けていたので、なぜか信用する人が多かったのですが、建築知識を正しく持ってみると非常に間違いが多く、単なる塗装業者の域を出ていないレベルであるのに評価が高すぎると感じます。)

言い続けたことで変わった!

私は、サイディングのあいじゃくり部分は基本的にシーリングで埋めてはいけない場所であるということを様々な場所で訴え続けました。Yahoo!知恵袋などの質問サイトや技術的な指導を依頼された会社に対しても、通気層がある貼り方をしているサイディングのあいじゃくり部分の目地は埋めるべきではないと、何度も何度も言い続けたところ、徐々にいろいろなサイトで「あいじゃくり部分は埋めるべきではない」と書かれ始め、今ではその意見が主流を占めています。ただし、これ私はメーカーにも確認していますし、原因を含めあいじゃくりの目地部分を埋めてはいけない本当の理由を分かったうえで、あえて端折って、埋めてはいけない理由を通気しているからと単純に説明していましたが、実際はもっと理由があります。私が言い続けたことで、業界内の意見が変わったのではないと思いますが、なぜか私が簡単に説明をした内容のまま広まっているのが不思議でしかたありません。

通気以外にもあった!「あいじゃくり」部分の目地を埋めてはいけないの理由

前出の昔有名であった塗装会社のサイトでは、あるメーカーのあるサイディング製品のあいじゃくり部分にパッキンが入っていることを理由に「メーカーに通期させる意思はない」とし、それだけで埋めても構わないとしていますが、それだけでは埋めてもよいということにはなりません。その目地を埋めてはいけない理由は、通気以外にも次のような理由があるのです。
・排水口としての役割
・目地として保てるだけの幅や深さがない
・壁が動く
排水は、壁の内側を伝わった水が、あいじゃくり部分から外に排出されるということです。排出するために開いているわけですから塞いではいけません。
幅や深さが足らないというのは、塗装しかわからないと理解が難しいのかもしれませんが、シーリング材の性能を出すには体積が必要なのです。細すぎたり浅すぎたりするシーリング材で埋めたのではゴミをつけているに等しい行いです。
壁が動くというのは、目地の幅や深さが足らないということと関係しています。サイディングはパネルですから地震や地殻の動きで動くようになっています。それを吸収するのがシーリング目地で、それにはある程度の幅と厚みが必要です。また、それを機能させるだけの造りも必要なので、シーリング目地ではない部分をシーリングで埋めるべきではありません。
このようにあいじゃくり部分の取り扱いには、塗装だけでなく建築の知識も必要なのです。

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