「手抜きをしない」とは?(見積編)

「手抜きがない」とか「手抜きをしない会社」などと記載している広告を目にすることがありますが、その様に書かれているだけでは信じ難いのではないでしょうか?何を根拠に「手抜きがない」といっているのか、疑問に感じる業者も多数あります。
そもそも、何をもって「手抜がない」のか?それから検証しないといけないです。今回は、見積の手抜きについてお話しします。

手抜きがない見積
意外かもしれませんが、見積の段階で始まる手抜きがあります。数量と仕様が著しく間違っている見積は手抜きです。数量は人が測りますので若干の誤差があって当然のものですが、手抜きの場合はそれが大きく異なります。代表的な方法は、故意に数量を多くして単価(㎡あたりの金額)を安く見せかけることですが、最近は故意に数量を少なくして都合よく安くするということが行われています。しかし、これは手抜きというより「だます」行為に近く、非常に悪質です。
数量を故意に減らせば、本来得られるはずの利益も減るのに、どうしてその様な行為に至るのか、私も初めはわかりませんでした。しかし、手抜きがないと自称している業者の実態を調べているうちにその下請け業者(表向きは、手抜き会社の自社職人)から、ある証言を得て全てがつながり、理由が分かりました。数量を減らす行為は、営業マンが”自らの利益のためだけ”に行う禁じ手だったのです。
仕組みは次のとおりです。
どのようなリフォーム会社の営業マンでも、ほとんどが歩合制です。彼らは基本給は非常に安い代わりに歩合給が多くつきます。当然ですが受注が出来ないと歩合給は付かないため、営業マンは1件でも多くの受注を得たいと考えるのですが・・・その様な会社は品質三流、価格一流であることが多いので、会社の決まりとおりに見積っていたのではどうしても高額になるので、なかなか受注できません。そこで、施工数量を少なくして、見積を競合他社よりも安くすることで受注をし、歩合を得ようとするのです。「そんなことをしたら現場が困るのでは?」と思うのですが、彼らはお構いなしです。なぜなら、工事をするのは自社職人とPRしていても実態は下請けですし、塗料が足らなくても支給した塗料だけで施工をするようにさせているので、会社としても営業マンとしても損はしないのです。損をするのは、必要な数量の塗料が使われないで、分からないところで手抜きをされる消費者だけです。
最近は、その様な会社の実態が世間に知られるようになってきて、いくら「手抜きをさせない」とか「施工数が多い」とかと訴えても賢い消費者の多くは信じてはいません。しかし、高齢者や情報弱者は未だにそのような会社に騙されることが多くあるのです。

この他にも、診断技術などの低さから意図せず手抜きになってしまう業者や、そもそもの知識がプロであるのに足らないがために手抜きになってしまう業者が非常に多いです。私が相談を受けたりフォームトラブルの相手方(施工会社)の多くは、広告を沢山出しているような会社ですが、中には社長の肩書きが建築の国家資格である「2級建築士、2級施工管理技士」である(技能士は厚生労働省の管轄する資格で働くための資格でしかないです。)ところもあります。それらの会社が瑕疵(リフォームでの不具合)を、なぜ起こすかと言うと、建物の構造などの知識が不足しているからであると思われます。もっとハッキリいうと、2級の範囲ではそこまでの建築知識を問われないので、そのレベルでは起こるべくして起こった事故であると考えます。

 

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